コラム
大腸ポリープについて
大腸ポリープについて
大腸ポリープの最新知見と内視鏡の進歩
―横浜市青葉区 池田医院より―
大腸ポリープは、大腸の粘膜にできる隆起性病変であり、その一部は将来的に大腸がんへ進行する可能性があります。現在、日本では大腸がんは罹患数・死亡数ともに上位を占めており、その予防の鍵を握るのが「ポリープの早期発見と早期治療」です。
大腸ポリープの種類とリスク
大腸ポリープにはいくつかの種類があります。ポリープは癌化する可能性のある腫瘍性ポリープとリスクの少ない非腫瘍性ポリープに大きく別れます
◯腫瘍性ポリープ
• 腺腫(せんしゅ)
• 鋸歯状病変(きょしじょう病変)
→これらは将来的にがん化する可能性があるため切除が推奨されます。

◯非腫瘍性ポリープ
• 過形成ポリープ(かけいせいせい)など
→ 基本的にがん化リスクは低く切除の必要はありません。
ポリープとがんの関係
腺腫は、いわゆる「adenoma-carcinoma sequence」によって段階的にがん化することが知られています。簡単に説明すると5-10年かけて徐々に遺伝子異常をうけて発癌していきます。
また鋸歯状病変はde novo発癌、小さいうちから突然発癌する可能性があります。そのため、内視鏡でポリープを発見し、その場で切除することで大腸がんの発症を未然に防ぐことが可能です。

内視鏡の進歩 ― 見逃しを減らす新技術―
近年、内視鏡診断において注目されているのがLCI(Linked Color Imaging)です。LCIとは富士フイルム社の開発した特殊な波長の光や画像の色調のコントラストをつけて病変の検出率診断率を上げる特殊光観察モードの一つです。赤色の色調を強調することで、炎症やポリープなどの微細な色の違いを明瞭にし、従来の白色光観察(実際に目で見た色味とほぼ変わらないモード)では見逃されやすい病変の検出を補助します。
実際に、国際多施設ランダム化比較試験(2020〜2022年、約3000例)では、LCIは従来の白色光と比較して腺腫検出率(ADR)を有意に向上させ(約58〜59% vs 約46%)、ポリープ検出率や鋸歯状病変の検出率も有意に高いことが示されています。
池田医院ではLCIは内視鏡検査の際には常時使用しています。個人的には、先ほど画像で提示したような鋸歯状病変の検出能は非常に高いと感じています。LCIでなければ気づけなかったと思われる病変に遭遇する機会も多く、最新の内視鏡技術には驚かされることが少なくありません。

メタ解析から見たLCIの有用性
実際に複数のランダム化比較試験を統合したメタ解析(2023年)においても、LCIは白色光観察と比較してポリープ検出数を増加させることが示されています。
特に、平坦型や小さな病変といった「見逃されやすいポリープ」に対する有用性が指摘されており、検査の質そのものを底上げする技術として注目されています。
治療の進歩:安全で負担の少ない切除へ
ポリープが発見された場合、多くは内視鏡的に切除が可能です。近年は「コールドポリペクトミー」と呼ばれる電気を使わない切除法が普及し、出血や合併症のリスクを抑えながら安全に治療が行えるようになっています。また、大きな病変に対してもEMRやESDといった高度な内視鏡治療により、外科手術を回避できるケースが増えています。

池田医院での取り組み
横浜市青葉区の池田医院では、こうした最新の知見を踏まえ、質の高い大腸内視鏡検査を提供しています。患者様の苦痛を最小限に抑える工夫とともに、ポリープの早期発見・早期治療に力を入れています。
ポリープが見つかった場合には、その場での日帰り切除にも対応し、検査から治療まで一貫した医療を提供しています。また、検査後のフォローアップについても丁寧に説明し、長期的な大腸がん予防をサポートしています。
■ まとめ
大腸癌・大腸ポリープは「見つけて切除することで予防できる疾患」です。新しい内視鏡技術の登場により、これまで以上に精度の高い検査が可能となっています。
しかし、どれほど技術が進歩しても、検査を受けなければ意味がありません。40歳を過ぎたら定期的な検査を受けることが、大腸がん予防への最も確実な一歩です。気になる症状がある方はもちろん、無症状の方もぜひ一度ご相談ください。
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参考文献
- Linked-Color Imaging Detects More Colorectal Adenoma… RCT(2022)
- 多施設RCT(Clinical Gastroenterology and Hepatology)
- The impact of linked color imaging on adenoma detection rate in colonoscopy: a systematic review and meta-analysisClin Endosc. 2025)
- 国立がん研究センター.大腸癌検診ガイドライン2024
※当ホームページに掲載している内視鏡画像は、患者様のプライバシーに十分配慮し、ご同意をいただいた上で掲載しております。
【監修】 池田 厚(いけだ あつし) 池田医院 副院長
■ 学歴
- 平成21年 浅野学園高等学校卒業
- 平成27年 順天堂大学卒業
■ 職歴
- 平成27年4月 順天堂大学医学部附属練馬病院 初期研修開始
- 平成29年4月 順天堂大学医学部附属順天堂医院 消化器内科学教室入局
- 令和元年4月 順天堂大学医学部大学院入学
- 令和元年4月~令和2年3月 沖縄県立北部病院総合内科 国内留学
- 令和5年3月 順天堂大学医学部大学院卒業 学位取得
- 令和5年4月 順天堂大学医学部附属東京江東高齢者医療センター 消化器内科 助教授
- 令和7年4月 池田医院 副院長就任 / 順天堂大学消化器内科教室 非常勤講師
■ 免許・資格
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
- 日本肝臓学会専門医
- 日本消化管学会専門医
- 日本内科学会認定内科医
- 産業医